レベル計は、古くは水の管理から始まりましたが、現在では対象とする被計量物は、粉粒体など利用範囲が広がっています。また、単なるレベルを検出するものだけでなく、体積や流量あるいは質量なども計測する要素機器となっています。ここでは水位計として、液位測定に関する各種測定方式について説明いたします。
投込圧力式(差動トランス式)

原理
水頭圧によるベローズの圧縮変形を、ベローズとばねで平衡させ、その変位信号を差動トランスにて検出。
特長
浮遊物などの影響を受けずに、また受圧部が沈殿物に埋没しても圧力伝達さえあれば測定可能。現地修理が可能。
用途
上水、汚水、海水など種々のレベル計測
投込圧力式(半導体式)

原理
ダイヤフラムおよび内部に充填されたシリコンオイルを介して、ダイヤフラム上に形成されたストレインゲージにより電気信号に変換。
特長
防泥構造ではないため、泥が詰まり、測定誤差の要因となる可能性がある。現地での修理はできない。
用途
上水、貯水池など比較的清浄環境でのレベル計測
超音波式

原理
音波が空気中を毎秒340mの速度で伝播することを利用して、パルス状に発射した超音波が測定対象物から反射して戻ってくるまでの時間を計測してレベルに換算する。
特長
浮遊物の影響を受けやすい。
用途
非接触用途でのレベル計測
電波式

原理
マイクロ波周波数変調連続波方式により、マイクロ波の周波数を変化させて発射し、液面からの反射による受信信号とその時に発射する送信信号との周波数の差を計測することにより、伝播時間がもとまり、レベルに換算する。
特長
高精度測定。浮遊物の影響を受けやすい。
用途
非接触用途でのレベル計測
気泡式

原理
測定する液中にパージ管を挿入し、一定量の空気を放出して、その背圧の変化を測定し、レベルに換算する。
特長
空気配管のため雷の影響を受けにくい。定期的なエアポンプの交換が必要。
用途
マンホールポンプ槽のレベル制御
静電容量式

原理
プローブと容器の側壁がそれぞれ電極となり、コンデンサーを形成し、その間に液が侵入すると誘電率が量に比例して静電容量が変化する。静電容量の変化をレベルに換算する。
特長
保護管が必要である。プローブへの付着物の影響により誤差の要因となる。
用途
液体や粉体のレベル計測
フロート式

原理
フロートを液面に浮かして、重錘によりバランスを保ちながら、液位の変化に従って、ワイヤーを介してプーリーを回転させる。プーリーの回転角度をポテンショメーターにて検出し、レベル変換する。
特長
停電時にも直読できる。付着物などにより誤動作する可能性がある。
用途
表面が凍結しない液体のレベル計測
浮子転倒式

原理
ケーブルに取付けたフロートを吊下げて使用する。空気中では垂直にぶら下がっているが、液位が上がってフロートに達すると傾斜する。この動作で内部スイッチが開閉し、信号を出力する。
特長
水位の連続信号は出力しない。定期的にスカムなどの付着物を除去する必要がある。
用途
上水、下水のレベル制御
電極式

原理
各液位に応じた長さの電極棒を上部に固定し使用する。電極間の電気抵抗変化を検出し、信号出力する。
特長
水位の連続信号は出力しない。定期的にスカムなどの付着物を除去する必要がある。
用途
上水、下水のレベル制御