水環境事業部 水環境事業部

用語解説

面速式流量計

開水路流量計の代表的な方式です。水路に設置した流速・水位複合センサーから得られた水位信号と流速信号から、それぞれ、流体断面積、平均流速を演算し、これらの値を乗ずることで流量値を得ます。下水、工場排水などの開渠や管渠の流量測定が可能です。
弊社の面速式流量計では、流速は、時間差を与えた超音波パルス対を水中に送信し、水中の懸濁物からの反射波を受信し、その受信波の到達時間差と流体中の音速から求めます。(相関式パルス超音波法)
さらに水深方向を複数の測定セルに区切って各測定セルで同様な処理を行うことにより測定セル毎の流速すなわち流速分布を求め、それらから水深方向の平均流速を計算します。さらに補正係数を加え、平均流速に補正します。

面速式超音波流量計 FM-10

開水路

非満水状態で流れる水路、自由水面をもった状態で流れる水路です。
開水路には、河川、農業用水路、発電所の導水路や放水路、上下水道の流入水路や放流水路、工場排水路などがあり、一般的には水路勾配による自然流下となります。
特徴として、様々な形状の水路(水路形状)と流れの状態が存在し、小流量から大流量まで、流量も広範囲です。

水路形状

水路形状には、矩形、台形、円形、U字形、馬蹄形などがあります。また、設置状況としては、開渠、暗渠があり、開水路、非満管、満管などの流れの状況があります。

濁度

濁度とは、水の濁りの程度を表す指標です。精製水1リットル中に、混和ポリスチレン1mgを含むときの濁りに相当するものを濁度3度とするとされています。水道法の水質基準では、2度以下と定められています。

水質監視装置 QW-3000/4000

色度

色度とは、水中に含まれる物質の色の程度を類黄色から黄褐色の度合いで表す指標です。着色の要因としては水に含まれる鉄などの金属やフミン質(植物などが微生物により分解された最終生成物)などがあります。精製水1リットル中に白金イオン1mg及びコバルトイオン0.5mgを含むときの色彩に相当するものを1度とされています。水道法の水質基準では、5度以下と定められています。

水質監視装置 QW-3000/4000

残留塩素

残留塩素とは、塩素消毒した結果、水中に残留している有効塩素のことで、遊離残留塩素と結合残留塩素の2種類があります。遊離残留塩素は、次亜塩素酸や次亜塩素酸イオンのことを示し、強い殺菌力を有します。一方、結合残留塩素とは、自然水に含まれるアンモニアが結合して生成される物質です。
水道法では消毒その他衛生上必要な措置として、水質管理目標設定項目では残留塩素を1mg/ℓ以下とすることとなっています。

水質監視装置 QW-3000/4000

pH

pHとは水素イオン濃度指数を示します。水の基本的な性質である酸性、中性、アルカリ性を示す指標がpHです。pH7が中性で数値が小さくなるほど酸性が強く、大きくなるほどアルカリ性が強くなります。水道法の水質基準では、pH 5.8~8.6(弱酸~弱アルカリ)と定められています。

水質監視装置 QW-6PHTシリーズ

水道法

水道の布設や管理を適正かつ合理的なものにして、低廉で一定水質基準以上の供給を図り、公衆衛生の向上と生活環境の改善に寄与することを目的とする法律です。
その中で、濁度(濁り)、色度(色)、残留塩素(消毒の残留効果)の3項目を1日1回以上の水質検査または測定を行うことが義務付けられています。

散乱光式汚泥濃度計

液中の懸濁物に光を照射させると、散乱光が発生します。この散乱光の強度が液中の懸濁物(下水中の汚泥)の濃度に比例することを利用した機器が散乱光式汚泥濃度計です。
ただし、懸濁物質の色が暗い(黒に近い)色だと光が散乱されにくくなるため、測定値が変動することがあります。
複合散乱光式汚泥濃度計では、2波長の光源を使用して、波長毎に汚泥濃度と汚泥色によって決まる相関特性の差を利用することで、この弱点を解消しています。

複合散乱光式汚泥濃度計 SD-50

散乱光式汚泥濃度計 SD-20

溶存酸素(Dissolved Oxygen)

水中に溶存または溶解している酸素量のことです。水域における水質の指標の一つです。清浄な河川ではほぼ飽和値に達していますが、水質の汚濁が進むと微生物による有機物の分解に伴って酸素が消費され、溶存酸素量が低下します。進行すると、微生物の活動を抑制し、浄化作用を低下させます。
下水処理場では水処理工程において活性汚泥法と呼ばれる生物処理を行う方式が一般的です。生物処理を効率よく行うために溶存酸素量で曝気風量の制御を行っています。

光学式溶存酸素計(DO計)OD-10

UV計、UV吸光度

吸光度とは、ある物体を光が通った際に光の強度がどの程度弱まるかを示す値です。
紫外線(UV)をある物体(河川水や工場排水など)に通してその吸光度を測定することで物体に存在する物質を知りえることができます。その一つが有機物に基づくものであり、COD値と相関が強いことが分かっています。この原理を利用したのが、紫外線の吸光度を測定するUV計です。あらかじめUV吸光度とCOD値の相関を求めて設定することで、COD計と異なり、無試薬でCOD値の連続測定が可能です。

UV計(有機汚濁測定装置)UV-10

COD(Chemical Oxygen Demand)

水質汚濁の指標の一つです。化学的酸素消費量と呼ばれます。水中に有機物などの物質がどれぐらい含まれるかを示します。酸化剤の消費量を酸素量に換算することにより求めています。このCOD値が大きいほど水中に有機物が多く含まれることを示します。単位は、ppmまたはmg/ℓが用いられます。
水質汚濁防止法では、公共用水域及び地下水の水質汚濁の防止を図り、もって国民の健康を保護するとともに生活環境を保全すること等を目的としていますが、CODについては、生活環境項目に設定され、許容限度として、160mg/ℓ(日間平均 120mg/ℓ)の数値が決められています。

BOD(Biochemical Oxygen Demand)

水質汚濁の指標の一つです。生物化学的酸素要求量または生物化学的酸素消費量と呼ばれます。水中の有機物などの量をその酸化分解のために微生物が必要とする酸素の量で表します。5日間培養したときの酸素要求量で表すのが一般的です。単位は、通常はmg/ℓが用いられます。

TOC(Total Organic Carbon)

水質汚濁の指標の一つです。全有機炭素と呼ばれ、水中に存在する有機物質に含まれる炭素量のことです。 水中の有機物を二酸化炭素に酸化させて、炭素量を求めます。
BODやCODが、水中の有機物の分解に必要な酸素の量を求める方法ですが、TOCは水中の有機物に含まれる炭素の量を求める方法です。

水質汚濁防止法

特定施設を有する事業場(特定事業場)から公共用水域に排出される水が排水基準以下の濃度で排水することを義務付けている法律です。排水基準に定められる物質は水の汚染状態を示す生活環境項目と、人の健康に影響する有害物質に関する項目があり、その種類ごとに排出許容限度が定められています。

NADH

NADH(還元型ニコチンアミド アデニン ジヌクレオチド)は微生物の代謝に機能する補酵素です。酸素の消費を伴う好気呼吸や嫌気呼吸といった微生物の活動状態によって増減する特徴があります。波長340nmの光を吸収して460nmの蛍光を発する光学特性があり,NADHの増減により蛍光強度も変化します。
従って、嫌気状態や好気状態におかれた活性汚泥中の微生物の活動状態の変化をNADHの蛍光強度から捉えることができます。DO(溶存酸素),ORP(酸化還元電位)などの従来の水質指標とは別に活用できる可能性のある新たな指標です。

NADH計(微生物代謝補酵素計) NF-10